世界で最も年金が充実している国は？　2014年度マーサー・メルボルン・グローバル年金指数ランキング

2014年10月16日

2014年度「マーサー・メルボルン・グローバル年金指数ランキング」のトップは3年連続でデンマーク！

世界最大級の人事・組織コンサルティング会社マーサーは2014年10月14日（火）、2014年度グローバル年金指数ランキング「マーサー・メルボルン・グローバル年金指数ランキング」を発表しました。

同ランキングのトップは、2012年より首位の座をキープしているデンマーク。総合指数は82.4。十分に積み立てられた年金制度や、多くの加入者数、優れた資産構成と掛け金の水準、十分な給付レベル、および法令の整った個人年金制度が首位となった主な理由。なお、デンマークは2012年より最高ランク"A"の評価を得た唯一の国です。

第2位はオーストラリア、第3位はオランダがランクイン。これで3年連続でトップ3の順位を維持している結果となりました。

2014年マーサー・メルボルン・グローバル年金指数ランキングは、世界各国の年金制度を比較したもので、全世界的に年金制度を比較した最も包括的な調査です。

「マーサー・メルボルン・グローバル年金指数ランキング」は、マーサーの協力とビクトリア州政府による資金提供の下、オーストラリア金融研究センター(ACFS)によるもの。

評価指数は50以上の質問項目から構成され、対象国の年金制度を0から100までの評価。具体的には、「十分性 (Adequacy)」、「持続性 (Sustainability)」、「健全性 (Integrity)」の平均評価値が指数として表されています。

6年目になる2014年の対象国は、フィンランド、アイルランド、南アフリカ、イタリア、オーストリアが追加され、2009年実施当初の11ヶ国から25ヶ国に拡大。全世界の人口の60%近くをカバーしています。

各国の公的ならびに私的年金制度の積み立てや、個人貯蓄などの年金以外の資産についても客観的な評価をしているとしています。

日本の年金制度は25ヶ国中第23位と低い評価

日本は日本の年金制度は25ヶ国中、第23位。日本の年金制度については、2013年から指数・ランキング共にほぼ変化がなく、制度の安定性はみられるも、高齢化社会をめぐる課題に対する取り組みなど、引き続き改善の余地があることが明らかになったとしています。

日本の総合指数は2012年、2013年、2014年ともに44.4。各項目の指数もほぼ変化はなく、最も低い項目である"持続性"(Sustainability)は28.5、十分性(Adequecy)"の項目は48.0、"健全性(Integrity)"の項目指数は60.9でした。

マーサージャパンの年金コンサルティング部門シニア・アクチュアリーの塩田強は
「日本の年金制度の総合評価は前年度と同じであり、ランキングは世界の対象国の中で、前年度と同様に下位に位置づけられる結果となりました。
さまざまな項目の中で、総合評価への影響が大きい所得代替率（現役世代の年収と年金給付額の比率）が低いことが、総合評価が下位となる要因の一つとなっています。」とコメントしています。

また、今年度の調査結果で個々の国におけるより良い制度構築のために共有されるべき多くの共通した特徴が明らかになったとしています。

2014年のマーサー・メルボルン・グローバル年金指数調査結果からは特に、退職所得制度の信頼性と透明性の重要性が見えてきたと指摘しており、マーサーのシニア・パートナーであり当レポートの責任者でもあるデービッド・ノックス博士は
「年金業界は、全ての利害関係者に対して透明性が高く有意義かつ効果的なメソッドを創出する必要があり、それ以外の選択肢がないという時代になっているのです」とコメントしています。