スーパーコンピュータの省エネ性能ランキングで日本の「TSUBAME-KFC」がトップに!

アメリカのバージニア工科大学は2013年11月20日(水)、半年ごとに発表しているスーパーコンピュータの電力効率を競うランキング「Green500」の最新版を発表しました。

2007年からスタートした「Green500」プロジェクトは、スーパーコンピュータのエネルギー消費効率を評価するもので、スパコンの平均性能を平均消費電力で割り、1演算当たりの消費電力を評価基準として、上位500位をラン付けしています。

同ランキングで、東京工業大学が開発した「TSUBAME-KFC」がトップとなりました。日本のスーパーコンピュータが同ランキングで首位となったのは、今回が初めてです。

スパコンで電力効率が大きくクローズアップされている理由

スパコンの性能ランキングとしては、演算性能の早さを「TOP 500」が有名です。

スパコンは並列計算でパフォーマンスを向上させてきましたが、消費電力が膨大なものになるという問題点が指摘されています。

例えば、「TOP 500」で第1位となった中国のスパコン「Tianhe-2(天河二号)」は20MW(メガワット)。一般家庭でいえば1万件にも相当するという膨大な電力を消費します。スパコンの年間電気料金は「億円」単位になるほど、べらぼーな金食い虫です。

性能当たりの電力効率を示す「Green 500」が注目されているワケがここにあります。

「TSUBAME-KFC」は2013年10月に稼働したばかりのスーパーコンピュータで、消費電力1ワット当たりの実効演算性能は4503.17MFLOPS/W。第2位に2割以上の差を付けています。

「TSUBAME-KFC」は、次世代スパコンに採用する冷却技術を実証するため、東工大の松岡聡教授を中心とするチームが試作した小規模のスパコンです。

「TSUBAME-KFC」は、計算ノードを循環する油性冷却溶媒液の中に基板ごと浸して冷却、つまりシステムを丸ごと油に浸して冷却する技術と大気冷却を組み合わせて、少ない消費電力で冷却できるよう設計されています。

第2位はアメリカのケンブリッジ大学の「Wilkes」です。消費電力1ワット当たりの実効演算性能は3,631.86MFLOPS。

なお、2013年11月18日(月)に発表されたスーパーコンピュータの演算能力ランキング「Top500」で第11位だった東京工業大学学術国際情報センターの「TSUBAME 2.5」は、第6位にランクインしています。

今回のGreen500ランキングでは、アメリカのエヌビディア製GPUアクセラレータの強さが目立っています。TSUBAME-KFCを含め、ランキング10位すべてがエヌビディアのGPUアクセラレータ「K20x」「K20」「K20m」のいずれかを搭載。 米インテルのメニーコアチップ「Xeon Phi」や、米IBMのメインプロセッサ「Power BQC」を使ったスパコンは、Green500ではトップ10圏外でした。

スーパーコンピュータの省エネ性能ランキング「Green500」トップ10

スパコン名の後の数字は、消費電力1ワット当たりの実効演算性能。単位はMFLOPS。

  • 第1位 TSUBAME-KFC(東京工業大学) 4,503.17
  • 第2位 Wilkes(ケンブリッジ大学) 3,631.86
  • 第3位 HA-PACS TCA(筑波大学 計算科学研究センター) 3,517.84
  • 第4位 Piz Daint(スイス国立スーパーコンピューター・センター(CSCS)) 3,185.91
  • 第5位 romeo(ROMEO HPC Center – Champagne-Ardenne) 3,130.95
  • 第6位  TSUBAME 2.5(東京工業大学) 3,068.71
  • 第7位 iDataPlex DX360M4(アリゾナ大学) 2,702.16
  • 第8位 Max-Planck-Gesellschaft(マックス・プランク研究所) 2,629.10
  • 第9位 iDataPlex DX360M4(Financial Institution) 2,629.10
  • 第10位 CSIRO GPU Cluster(オーストラリア連邦科学産業研究機構) 2,358.69

参考URL